ふたりの薗子
ただ、その子は僕を
良く知っているが
僕は、その記憶が無いのが
淋しかった。

ひょっとして、恋してみたいと
思う心が
こんな、ハプニングを呼んだの
だろうかとも思った。

2限が終わり、僕は屋上へと
階段を駆け上がった。
雨はもう止んでいたから、
雨上がりの少し蒸し暑い空気が
夏、を感じさせる梅雨の終わり頃....
丘の上から見える、遠い水平線と
岬、眼下に広がる街並み...。
いつも、見慣れている風景だったが、
しかし、僕は気が流行る。
< 70 / 134 >

この作品をシェア

pagetop