ふたりの薗子
駅に着き、電車に乗り換える。
普段は電車になど乗らないから、
戸惑ったが
スマートフォンのチケット・トゥ・ライド
機能を立ち上げて
RFIDセンサーで自動改札を通過した。

呆気なく通過でき、僕は驚いたが
今では、当たり前の事のようだ。


プラット・ホームでオレンジと
緑の塗り分けの
鋼鉄製の電車が、僕を待っていた。
電車に乗り込み、ひと駅だけど
どこか、遠くへ旅するみたいに
僕は、楽しい気持ちになった。

...そう、思えばこの時、帰ることの
できない旅に立ったのだった。
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