ふたりの薗子
薗子によく似ていたが、
すこし長閑な輪郭で
違う人、とは分かっていた。

反射的に呼んでいた。


深山の子鹿の如き
敏感さで、その人は僕の声に
驚いた。

「....どちら様ですか....?」
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