ふたりの薗子

薄暗い個室は、
12畳ほどの洋室だった。
床は、合板でなく単板、
磨き込まれている。

窓際には白いカーテンが
掛けられており
そこが、病室、を
強くイメージさせた。
壁はオールド・ファッションの
漆喰壁で、昭和初期の
西洋館のような感じ。
その、中央付近に
薗子は、静かに眠っていた。


....やっと、出逢えたのに......。
静かに、眠ったままの薗子は水晶のように美しく
僕は、落雷に打たれたように陶然と、立ちすくんだ。
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