彼女は僕に恋をした。

そんなどんぐりの背比べみたいな僕たちが、必死で張り合うのを見るのは、滑稽だし、見てる分には面白くもあるけど、僕はそんな人間の仲間にはなりたくない。



平凡な人間が、特別になれるって、どんなとき？そう考えたとき、分かったんだ。



愛情だけは、だれにでも平等に準備されてるって。恋人ととことん愛し合うことだけは、どんな人間にも機会が与えられていて、その中でだけは、誰でも、特別な存在なんだって、気が付いたとき、勉強をやめた。


あとは、相手を見つけるだけだ。ななみのことは好きだけど、僕が求めている相手とは、少し違う気がする。



僕はもっと、激しいものを欲しているんだ。世界が燃え上がるような。