彼女は僕に恋をした。
ななみはいつだって、僕の味方をしてくれる。



僕はそれに甘えるのが、好きだ。



僕は、高校の卒業式の日に、家出した。



何食わぬ顔で、制服のまま家をでて、コインロッカーに隠してあった荷物と着替えと、10年分のお年玉と、お小遣いの残りを持って、家を出た。



卒業式に出なかったのは、親が学校に来るって言ったからだ。




どうでもよかった。早く自由になりたかった。でも、僕だって馬鹿じゃないから、高卒の資格くらいあったほうが何かといいだろうと思って、卒業式まで待ったんだ。



宛てはなかったけど、東京に行けば、何とかなるって思っていた。







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