彼女は僕に恋をした。

ななみと一緒にカーテンの無い部屋を照らす月を見ていたら、涙がでた。



なんとも言えない、感情がこみ上げてきて、ただただ、不安だった。



まだ、家賃を払うお金がたまってないのに、明日には大家さんに、お金を渡さなきゃいけないからだ。



自炊して、節約したいけど、鍋とか買えないし、炊飯器もないし。



ななみは、僕の涙を指で拭いてくれた。




「私が払ってあげるわよ」



なんてコトバを期待してたけど、ななみはただ黙っていた。



僕も諦めて、現実的な解決法を考えた。




「お給料日は、金曜だから、それまで、待ってもらうように頼みなさいよ。



そうしたら、あまったお金で、炊飯器と鍋と、食料品を買って、節約すれば、なんとかやっていけるから」