それは、小さな街の小さな恋。
なんで?
なんだかいつもと違う距離感に不安にも似た気持ちになり、俊ちゃんの顔を覗き込んだ。
うわ、近い。
慌てて巻きつかせていた腕をほどくけど、頭を押さえられてしまって遠ざかることが出来なかった。
ふざけてるのかと思ったら、俊ちゃんは真剣な顔付きで私を見ている。
顔に集まる熱は、何を表すのか。
この事態を把握しきれない私には分からない。
分かるのは、何故か私たちの距離がどんどんと縮まって行っているといこと。
まるで、吸いつけられようにお互いの顔が寄っていく。
このまま唇を合わせることが自然なこと
だと言うかのように。
あと、数cm。