それは、小さな街の小さな恋。
別にキスをしたわけじゃない。
だけど、今までにない雰囲気に戸惑って、後ろ姿を見るだけでまるで中学生みたいに照れてしまう私は、ずっと俊ちゃんを避けている。
今日も滞在時間約15分で病院を後にした。
正面玄関を出ると、爽やかな風が肌にしみる。さすが、秋だな。
でも、まだ日差しは強い。9月も下旬に入ったっていうのに。
病院前までバスが来るには、まだ少し時間がある。
このまま陽に当てられ続けるのも嫌なので、取り敢えず日除けのある自販機コーナーに入ろう。
そう思って自販機コーナーまで行くと、反射的に喉が渇いてきてしまった。
なんて単純な身体なんだろう。
うーん、何を飲もうかな。甘いものが飲みたいかな。
そう思って目に付いたのは、カフェオレ。
うん、このミルク増量中のカフェオレにしよう。