それは、小さな街の小さな恋。
栗ごはんと突然のプロポーズ。
悶々と色々なことを考えて乗ったバスは、危うく乗り過ごすところだった。
なんだか考えることが多すぎて、頭がついていってない。
完全に容量オーバーだ。
「かのちゃん、かのちゃん?」
「へ?」
「なんかあった?ボーッとして。」
「いえ、ごめんなさい。」
「それはいいんだけど、無理したら駄目よ?」
そうか、ここは診療所。
午後の診察が始まったっていうのに、こんな上の空じゃダメだな。
気合いいれなきゃ。
ていうか私、どうやってここまで帰ってきたんだっけ。まるで覚えてない。
もう、本当に頭が回らない。