それは、小さな街の小さな恋。


結局、今日の晩ごはんは秋らしく栗ごはんにした。


初子ばあちゃんが入院してからもう2週間ほどたつ。


今まで晩ごはんは初子ばあちゃん家で食べていたから、一人で自分の家の台所に立っていると寂しくなってくる。


でも、もう少し。
もう少ししたら初子ばあちゃんが帰ってくる。


そう自分に言い聞かせながら、栗に包丁を当てる。

栗の下処理はなかなか面倒臭いけど、でもそれで余計なことを考えなくてもよくなるから今は丁度いい。


今日は本格的に土鍋で炊いちゃおうかな。

お母さんが愛用していたこの土鍋は、今でも大活躍の優れもの。


お米を入れた土鍋に水を張り、だし昆布、酒、塩を入れていく。

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