それは、小さな街の小さな恋。
「ああ。でも、俺がばあちゃんに引き取られて2年くらいで再婚したんだ。」
「え?2年で?」
「俺を手離してから上手くいき始めたみたいで。まあ、あの2人には俺が邪魔だっただけなんだよ。」
「そんな…。」
2人の心境が理解できないが、そういう話を聞いたことがないわけじゃない。
男女のことだ。2人しか分からないこともたくさんあるんだろう。
だけど、俊ちゃんの気持ちを考えると腹がたつ。
膝に置いていた両手に力が入り、ぎゅっと拳を握るが、当人の俊ちゃんは、なんと肉じゃがを食べ始めた。
確かに、冷めるな、とは思ってたけど。
まあ、本人が気にしてないことが一番だけど。