それは、小さな街の小さな恋。
この街と私。
年季が入ったお店が所狭しと並ぶ、この商店街を早足で進む。
コロッケが絶品のお肉屋さんは、今日も奥さんが大きな声で呼びかけをしている。
同級生の親御さんがやっている八百屋さんは、今日も大盛況。
あ、大根が安い。夕方まであるかな。
先月、隣街へと店舗を移した質屋の土地には新しい花屋が建った。
若い女の人が経営しているこの店からは、いつもいい匂いがする。
忙しそうでまだ話せていないけど、いつか仲良くなれたらな。
そんなことを考えながら歩いていると、いつの間にか目的の場所へと着いてしまった。
牧田クリーニング。
ここが、私の目的地だ。