それは、小さな街の小さな恋。


「明日の朝一に戻ってくるって。」

「そしてそのまま診察か?」

「うん。」

「ハードだな。」

「でもうちは明日の診療午前中までだから。俊ちゃんは明日ゆっくり出来そうなの?」

「まあ、午前中は。午後からは行かなきゃならないけど。」

「大変だね。」


俊ちゃんこそハードだ。こんなに身体中ばきばきにさせて。

まあ、そんな俊ちゃんに代打を頼んだお父さんもなかなか人使いが荒いな。


可哀想だから少しでも身体を労ってあげようと手のひらに力を込めようとすると、いきなり俊ちゃんが「うわっ」と奇声を上げて上半身を仰け反ったので同時に私の身体もバランスを崩し畳に片手をついてしまった。


「痛っ!いきなり何なの?」


バランスを整え、腹いせに俊ちゃんの大きな背中をバシバシと叩きながら聞くと寝そべった体制のまま顔だけ向けた俊ちゃんが目を見開いて言った。

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