それは、小さな街の小さな恋。
「俺の好きな番組終わってるんだけど!」
なにごとかと思ったらそんなこと?
ショックが隠せない俊ちゃんが指差すのは、読んでいた新聞のテレビ欄。
そこには確かに、俊ちゃんが好きだった番組とは別のものが同じ時間帯で書いてある。
でもそれって2ヶ月も前の話だ。
「いつの話?随分前だよ。」
「仕方ねえだろ。忙しくてテレビ見る暇もなかったんだよ。」
「俊ちゃん、世間に置いていかれてるね。」
可哀想に。本当に忙しいんだな。
「あ!そういえば、俊ちゃんが好きだったあのタレントさん不倫疑惑で今休業中だよ。」
「は?!誰と?」
更に衝撃の事実だったらしく、今度は顔が青ざめかけてる。
「若手ミュージシャン。」
「まじかよ。」
相当ショックらしく、片手で顔を覆ったまま動かなくなってしまった。