それは、小さな街の小さな恋。
ここで一人腹を立てていもしょうがないので、俊ちゃんがお風呂に入ってる間晩ごはんの準備でもしよう。
お父さんと初子ばあちゃんは集会所で済ませ、私も食べてしまったので俊ちゃんの分だけ。
今夜は、庭で採れたピーマンの肉詰めと冷奴に春雨サラダだ。
準備をしていたら、なんだか私も食べたくなって俊ちゃんの分の春雨サラダを少しだけ頂戴して小皿に盛る。
ビール飲んじゃおうかな。どうしよう。
そんな葛藤をしていたが、鉢巻作りが中途半端だったことを思い出し、今夜は我慢することに決定した。
「かのー、飯。」
いつの間にかお風呂から上がってきた俊ちゃんは、肩から下げたタオルで髪の毛を拭きながら台所に入ってくる。
なんと、パンツ一丁。
でも今更こんな格好じゃ何とも思わないようになってしまった。
悲しいことに。