それは、小さな街の小さな恋。
梅酒と本当の気持ち。
文句を言いつつも俊ちゃんは晩ごはんを完食した。
まあ、薬味は全部私に押し付けたんだけど。
さすがに疲れたらしい初子ばあちゃんは、先に寝ると言って寝室に向かった。
私も片付けを終わらせて帰ろう。
そして、子供神輿用の鉢巻をしあげなきゃ。
使ったお皿を流しに持って行き、初子ばあちゃんが毛糸で編んでくれたアクリルたわしで皿を洗う。
俊ちゃんは畳の上で寝転びながらテレビを見ている。
人には散々言うくせに、『食べたあとに寝たら牛になる』という迷信は自分には当てはまらないらしい。
不思議だ。