それは、小さな街の小さな恋。
大丈夫かと心配した瞬間、何故か自分の耳に生暖かいものが触れ、飛び上がる。
「ひゃっ!」
なんと正体は俊ちゃんの指。
「なんで耳触るの?!」
「熱かったからだよ。」
いや、確かに火傷したら一番体温の低い耳朶を触れって言うけれど。
「わかるけど、なんで私の耳なの?」
俊ちゃんの行動が意味不明すぎる。普通は自分の耳を触るでしょう。
「咄嗟に?」
なんで疑問系なの。
もうわけがわからないから追求しないことにしよう。
そうして私が必死に心を落ち着けている間にお湯を沸かし終えた俊ちゃんは、コップに焼酎と共に注いでさっさと台所から出て行ってしまった。
なんて勝手なんだ。