それは、小さな街の小さな恋。
ああ、まただ。俊ちゃんの、この何でも無いような一言で熱い熱いマグマが消えた。
そうか。今は、隣に俊ちゃんがいるのか。
子供だったら2人くらいは座れる距離。
そこに俊ちゃんはいて、私の消えそうな呟きもしっかり拾い上げてくれる。
昔からそうだ。
俊ちゃんは言わなくっても分かってくれる。一番欲しい言葉をくれる。
気恥かしくて言葉になんか出来ないけど、すごくすごく感謝してるんだよ。
伝わってる?
まあ、伝わってなくてもいいけどね。
見上げた真っ暗な夜空には、光り輝く星が、月が浮かんでいる。
持っていた梅酒のグラスは、中の氷がからりと音を立てじんわりと高くなりすぎた体温を奪っていった。