それは、小さな街の小さな恋。
ようやく差し入れOKと聞いて、さっそく作ってきたお稲荷さんは自分でも納得の出来映えだ。
お昼ご飯を食べた後だっていうのに3つも食べた初子ばあちゃんと、お昼ご飯を兼ねて4つ食べた私はすっかりお腹いっぱいになってしまった。
「北上さーん、リハビリの時間ですよー。」
満腹のお腹を満足げに撫でていると、カーテンを開けて、初子ばあちゃんを迎えに来た看護師さんの声がする。
もうそんな時間か。私も洗濯物を回収して、そろそろ帰らなきゃ。
いつも昼休みを利用して来ているが、隣街の病院まで来ると、当然その時間をオーバーしてしまうわけで。
ここのところ、加代さんたちにはお世話になりっぱなしだ。