それは、小さな街の小さな恋。


ようやく差し入れOKと聞いて、さっそく作ってきたお稲荷さんは自分でも納得の出来映えだ。


お昼ご飯を食べた後だっていうのに3つも食べた初子ばあちゃんと、お昼ご飯を兼ねて4つ食べた私はすっかりお腹いっぱいになってしまった。


「北上さーん、リハビリの時間ですよー。」


満腹のお腹を満足げに撫でていると、カーテンを開けて、初子ばあちゃんを迎えに来た看護師さんの声がする。


もうそんな時間か。私も洗濯物を回収して、そろそろ帰らなきゃ。


いつも昼休みを利用して来ているが、隣街の病院まで来ると、当然その時間をオーバーしてしまうわけで。

ここのところ、加代さんたちにはお世話になりっぱなしだ。

< 96 / 153 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop