ラプラムル
ラプラムルでは、
敵国ヴァイアライムの象徴のカラスと梟を表す黒い髪と灰色の瞳を持って生まれたものは、反逆罪と見なされて刑に処せられる。

たとえ王族の子であろうが。


体の一部に黒と灰を持つなど、敵の軍旗を体に刻んで生まれたも同然。
生まれて1週間の日を迎える夜明けとともに、木箱のような船に乗せられて暁の海に出される。

家畜の餌を入れる箱を海に浮かべたような船だ。ラプラムルの入り組んだ海流に耐えられるはずもなく、赤子はやがて海底という死の世界に沈んでいく。

生まれてきたことが大罪で
愛より先に死を教えられる。
漆黒よりも黒い海の底に閉じ込められ
永遠に光を与えられずに

朽ちていく。




そしてこの夜が開けると、ラプラムルの黒髪の姫が生まれて1週間が経つ。
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