ラプラムル
“
王鹿の鳴く声 どこまで響く
雪原に跳ねる 華狐の目
ラグゥと共に舞い降りん
血は繋ぐ
神のみぞ知る定めを
ルガフに籠めよ
グランの鳥を
すべてはラプラムルの流れに
託された
”
これは、ラプラムル王国誕生の詩…だ。
そういえば父の手紙にもラプラムルの詩がどうだとか書いてあった。
やはり、この詩になにか重大なことがあるのだろうか。
考えながら、ふと、裏を見てみた。
すると、
「……これって……」
詩の続き……!?
ラプラムル王国誕生の詩に続きがあるなんて、誰が想像していただろう。
読んでも、いいのだろうか。
多少日に焼けているが、そこまで昔の紙ではなさそうだ。少なくとも10年経つか経たないかくらいのものじゃないか。そうすると、隠蔽されてきたと考えるのが妥当だろう。
それならば、俺みたいな庶民が読んでいいものなのだろうか。
頭の中ではそんなことを考えていても、気になって仕方が無い。
俺はあれこれ思うことは置いておき、紙を裏にして読み始めた。