あの頃のように笑いあえたら
それぞれの、高校生活初めての夏。

そうか…バイトがない時は、源に会えないんだな。

ー 寂しいな

この時源が長野という場所に反応したことが、私の中で少しの引っ掛かりを見せていた。

「ね、課題さ、みんなでやろうよ」

「うん…だな。1人でできる気がしない」
「あはは、うん。そうしよ」

みんなで課題の山を見つめてため息をつく。

恋にばかり浮かれていられない、この現実…

教室へと戻ると、私たちが運んで来た課題の束と、先生が持ってきた通知表の束を見て、クラス中が大きなため息に包まれた。

みんなと予定を合わせ、集まる約束をしたが、バイトや部活で忙しく、数回しかなかった。

私の出ている雑誌は、ほとんどのモデルが学生なので、長い休みに集中して撮影があったりする。

バタバタとした忙しい夏休みになりそうだな。

そういえばあれから、源とカンナが一緒にいるところは見ていない。
でもやっぱり、意識してしまっている自分がいる。

ー イヤだな…

モヤモヤは晴れない

こんな気持ちで夏休みを迎えたくないのにな。
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