あの頃のように笑いあえたら
その日の帰り道。部活のあるみんなと別れ1人で門を出る。
同じ帰宅部の源と一緒になると思っていたのに、どこにもその姿はない。
仕方なく駅へ向かって歩く。
「愛㮈!」
不意に後ろから呼ばれ、声の主が源ではないことはすぐに分かったが、ちょっとだけ期待して振り向く。
やはりそこには、源ではない別の男子の姿。
「ああ、今帰り?」
隣りのクラスの……えっと、小橋くんだっけな。
前にノートに挟んで連絡先をくれた子だった。
「うん、駅まで一緒にいい?」
「うん」
聞いてくれるあたり、悪い子ではなさそうなんだけどな。
「夏休みも仕事?」
「うん、そう」
共通点がまるでないから、話題もない。
そりゃそうだよね、ただの同級生だもんな。
彼が私に興味を持ってくれなければ、きっと話すこともなかっただろう。
2人の靴音が、妙に大きく聞こえる。
「夏休みの課題見た?多くね?」
「あは、見た見た!あれ、ヤバイよね」
「うん。ヤバイな」
「………」
ちょっとした沈黙も、あまり知らな相手ではちょっとツライ。
小橋くんには申し訳ないけど、早く駅に着いたらいいのに……そんなことを思ってしまう。
同じ帰宅部の源と一緒になると思っていたのに、どこにもその姿はない。
仕方なく駅へ向かって歩く。
「愛㮈!」
不意に後ろから呼ばれ、声の主が源ではないことはすぐに分かったが、ちょっとだけ期待して振り向く。
やはりそこには、源ではない別の男子の姿。
「ああ、今帰り?」
隣りのクラスの……えっと、小橋くんだっけな。
前にノートに挟んで連絡先をくれた子だった。
「うん、駅まで一緒にいい?」
「うん」
聞いてくれるあたり、悪い子ではなさそうなんだけどな。
「夏休みも仕事?」
「うん、そう」
共通点がまるでないから、話題もない。
そりゃそうだよね、ただの同級生だもんな。
彼が私に興味を持ってくれなければ、きっと話すこともなかっただろう。
2人の靴音が、妙に大きく聞こえる。
「夏休みの課題見た?多くね?」
「あは、見た見た!あれ、ヤバイよね」
「うん。ヤバイな」
「………」
ちょっとした沈黙も、あまり知らな相手ではちょっとツライ。
小橋くんには申し訳ないけど、早く駅に着いたらいいのに……そんなことを思ってしまう。