あの頃のように笑いあえたら
「ゾクチューのヤツやれよー!」
どこかの男子の声が響く。
おそらく、附属中出身者は受験をしてないので楽してるんだから、おまえらやれよ、的な。
「……えーと、でも」
私の気弱な声はすぐにかき消されてしまう。
「そうだ、そうだ!ゾクチューに任せたらいいよ」
自分を守るための声が、あちこちから聞こえてくる。
でも、それじゃ……。
奥歯を噛み締めると、自分の気持ちが一点に集まって熱くなる。
「……でもっ!芳川くんが附属じゃないので、それは不公平だよ!だから、みんなでちゃんと決めよう!」
思った以上に大きな声に、静まり返った教室中の目が、芳川くんが私を捉えている。
ー ードクドク
心臓の音がうるさい。
いやだ、どうしよう。マズイこと言っちゃったかな。
みんなの反応が怖い。
「……そりゃ、そうだな」
……え?
またどこかの男子の声を合図に、みんながざわつき始める。
「しゃーねー、オレやるよ!体育委員」
するとそう言って、一人の大柄な男子生徒が立ち上がる。
「あ、ありがとう!」
「あ、じゃあ私、音楽やるよ」
さっき私に話しかけてくれた、小柄な女子だ。
委員、嫌だって言ってたのに。
心臓が、さっきとは違う音を立てる。
「あ、うん!ありがとう。よろしく!」
よかった、みんな分かってくれて。
どこかの男子の声が響く。
おそらく、附属中出身者は受験をしてないので楽してるんだから、おまえらやれよ、的な。
「……えーと、でも」
私の気弱な声はすぐにかき消されてしまう。
「そうだ、そうだ!ゾクチューに任せたらいいよ」
自分を守るための声が、あちこちから聞こえてくる。
でも、それじゃ……。
奥歯を噛み締めると、自分の気持ちが一点に集まって熱くなる。
「……でもっ!芳川くんが附属じゃないので、それは不公平だよ!だから、みんなでちゃんと決めよう!」
思った以上に大きな声に、静まり返った教室中の目が、芳川くんが私を捉えている。
ー ードクドク
心臓の音がうるさい。
いやだ、どうしよう。マズイこと言っちゃったかな。
みんなの反応が怖い。
「……そりゃ、そうだな」
……え?
またどこかの男子の声を合図に、みんながざわつき始める。
「しゃーねー、オレやるよ!体育委員」
するとそう言って、一人の大柄な男子生徒が立ち上がる。
「あ、ありがとう!」
「あ、じゃあ私、音楽やるよ」
さっき私に話しかけてくれた、小柄な女子だ。
委員、嫌だって言ってたのに。
心臓が、さっきとは違う音を立てる。
「あ、うん!ありがとう。よろしく!」
よかった、みんな分かってくれて。