あの頃のように笑いあえたら
それから少し落ち着いた咲苗と、料理上手な真子のお母さんの手料理をご馳走になり、食後にはみんなでケーキまで頂いた。

夜はみんなで布団に潜り込み、長い間話をしていた。

「……今日はありがとね」

咲苗も、普段の調子が戻ってきているようにみえる。

「なに言ってんの〜?ずっと話してただけじゃん」

確かに真子の言う通り、話を聞いてそばにいただけだ。

「でも、なんかスッキリしたよ」

「そう?ならよかったよ」

ちゃんとエクボが見える。

「でも2人ともさ、私に遠慮なく英介とか源の話もしてよね!」

……さすが、いつもするどいな咲苗。

やっぱり何となく、源の話しは避けてしまっていた。

真子も同じみたいだ。両思いなら、なおさらだ。

「うん……明日は久しぶりに源に会えるな」

源の笑顔を想いながら布団を鼻まで上げると、洗いたてらしいカバーからいい香りがした。

「久しぶりなの?バイト先では会ってないの?」

「ん〜……なんかバタバタしててね」

「そっかぁ……よし!私も早く次に進めるように、頑張ろ!」

天井へ向かって指を指す。

そうだ、その調子だよ咲苗。
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