あの頃のように笑いあえたら
「じゃさ、愛㮈と源がうまくいったらさ……やっぱり咲苗は勝?」

「え……なにそれ?そんな安っぽい小説みたいな結末やだよ!」

冗談!とみんなで笑い飛ばす。

誰が相手だっていい。

もう友達が悲しむ顔は見たくない。

みんなが笑顔になれたら、それでいい。

もちろん、私も。源も。

「そういえばさ。愛㮈、私が電話した時まだパジャマだったんだよ?」

「え……?愛㮈ってホントにモデル?」

「あはは〜!」

真子と同じリアクションに、笑いが止まらない。

「別に、家で何しようと関係ないじゃん」

「ま、愛㮈らしいけどね」

私らしい……?パジャマでゴロゴロが?
どんなイメージなんだ、私。


源は今なにをしているんだろう?

もう寝てるかな?

何を……誰を想っているんだろう。

「今、源のこと考えてたでしょ?」

もう、咲苗は人の気持ちまで読めるのかと思ってしまう。

「……ふふ、もう寝るよ。おやすみ」

「うん、おやすみ」

こんな風にその人のことを考えただけで、胸がキュンとなる。

ツライこともあるけれど、源が私の生活をキラキラさせてくれている。

また咲苗にも、そんなキラキラがきっと待っている。
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