あの頃のように笑いあえたら
あの日の集まりは、それぞれの得意科目を教え合ったり、答え合わせをしたりした。

5日振りの源は、もちろん何も変わらずいつものマイペースだった。

私と同じく、バイトが忙しいらしくバタバタしているようだった。

そして、このお盆休みには松岡さんの撮影旅行に同行すると言っていた。

今頃きっと大きな富士山を眺めているのだろう、松岡さんにこき使われながら。

源を思う私の横で、おばさんとママは家の中の物を残す物と処分する物に仕分けしている……らしい。

しかし。やだぁ、ばあちゃんこんなのまで置いてる!から火がついて、懐かしい話しで盛り上がっているだけに見える。

物は、それに関係していない人にとってはただの物体にすぎないが、思い入れのある人にとってはその価値は全く違ってくる。

話が止まらない2人を横目に、私は仕方なく雑誌の山を束ねることにした。
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