あの頃のように笑いあえたら
それから、残りの副委員長も立候補により決定した。

「…おまえ、やるな」

私に顔を向けずに、芳川くんが呟いた。

なによ!あんたが何もやらないからじゃない!

ずっとめんどくさそうに、私の横に立っていただなのに。

彼の表情からは何を考えているのか、全然分からない。

そして今度は少し怒った顔をしている私を見て、ニヤリと笑う。

「褒めてんだけど」

私を見る彼の目はその表情とは裏腹に、とても澄んでいてドキっとするくらいキレイだった。

「は?」

やっぱり、あの入学式の挨拶をちょっといいなと思ったことは、忘れよう。

ただ、吸い込まれそうなその切れ長の目が寂しそうに見えたのは気のせいだろうか……。

「はい、委員長さんご苦労様です。
さっそくですが今日の放課後、顔合わせも兼ねて6名で残って、来週の学級会でクラス目標を決めてもらう準備もして下さい」

「はーい……」

まさかこんな私が、学級委員長…不安しかない。
でも、せっかく立候補してくれた他の4人に申し訳ないし。

やるしかない、のかな。
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