あの頃のように笑いあえたら
「いつだったか愛㮈とげん君が、裏の森に遊びに行ってね。ちょっと無理したのか、愛㮈が発作起こしちゃって」

え?私ここで発作起こしたことあったんだ。

「そうそう、私もおばさんもいなかったから、ばあちゃん1人で大慌てでね。確か救急車呼んで大騒ぎになったのよ!」

え……?救急車?

「全然覚えてない……」

「げん君、なんだか責任感じてしまったみたいで、大泣きしてたらしくて。ちょっと可哀想だったって、ばあちゃん言ってたね」

そんなことがあったんだ……。

そのげん君も、きっと優しい子なんだろうな。

「それから、愛㮈は暫く入院してて。その間にげん君はお家に帰ってしまって。たぶん、それきり会ってないんじゃないかと思うよ。」

「そっか」

覚えていないけど、ちゃんと挨拶もできず元気になった私の姿も見せられず……ちょっと切ないな。
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