あの頃のように笑いあえたら
小橋くんからもらった飴を、口の中で転がしながら色塗りを進める。

「なんか、仲良くなってるね。小橋くんと」

「ん?そう?」

仲良ししてるつもりはないんだけどな。

「そろそろ連絡先教えてあげたら?あの子、意外とホンキだよ」

同じく飴を舐めながら真子が言う。

「うーん……でも」

真子がチラッと源を見たのが分かる。

「まあね、そんな簡単にはいかない、よね」

「ん、まあね」

小橋くんとはあれからたまに話したりするようになって、彼の素直な性格も分かってきた。

でも、隣りのクラスの友達……私にとってはそれ以上ではない。

友達として、連絡先を教えるのはかまわないが、彼と連絡を取る必要を感じない。

……なんて、冷たいのかな、私。

友達、とか。仲良し、とか。

よく分からない。

ただ、これ以上は私に踏み込んでほしくない。冷たいのかもしれないけど、バリアを張ってしまっているんだ。

考えすぎて、どうしたらいいのか分からないだけなんだけどな。
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