あの頃のように笑いあえたら
ーー文化祭2日目。

初日は前日までの準備の成果もあり、なんとか無事に終わった。

本番の大事な仕事は、店番と焼き係りだ。

その他の雑用係りと仕込み係り、合わせて10人ずつが、2時間交代で仕事をこなしていく段取りだ。

私は朝の雑用係りを終えて、次の14時からの販売係りまでは自由時間だった。
この間に、他の店や出し物を見て回る。

たまたま同じ時間が空いている真子と一緒に。

「どこ行こうか?」

「うん。外寒いから、中入ろうよ」

そう言いながら校舎内へと向かう。

昨日から急に寒くなり、連日の準備の疲れや焼き鳥を焼く煙の影響もあって少し喘息が出ていたのだ。

さっき吸入したから、大丈夫だと思うけど。

「そうだ、写真部行こ!体育祭の写真あるって!」

「あ、そうそう。咲苗が言ってた!文化祭終わったら、好きな写真もらえるから、予約したらいいって!」

写真部の展示が行われている教室へと2人で足を運ぶ。
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