あの頃のように笑いあえたら
無事に?テストも終わり、みんなで遊園地へ行く日がやってきた。

肌寒いけど、いい天気だ。
コートの下には、ライトブルーのカーディガンを着込んだ。

「タマランドなんて久しぶりね」

タマランドはもちろん、ママとの思い出の場所でもある。
これも、私が成長する第一歩。
ママもきっとそう思ってくれているだろう。

「うん、ほんと」
「ふふ……楽しんでらっしゃい」

私はママにも、源のことを少しずつ話していた。

次は2人で行けたらいいわね〜なんてからかうママの声は聞こえないフリをして、支度を進める。

「行ってきま〜す」

デニムにスニーカーで軽やかにドアを開けた。

冷たい風を飲み込むと胸のドキドキが少しだけ、落ち着いた。

こんなんじゃ源と2人きりでタマランドなんて、きっと心臓がもたない。
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