あの頃のように笑いあえたら
落ちる時の、このお腹がキューンとなる感覚がたまらなかった。

冷たい風が頬を切る。

横の源を見ると、口を固く結んだまま固まっていた。

あはは、マジか。

見たことのない表情。胸もお腹もキュンとする。

後ろからは勝の情けないさけび声が響いている。

「ひゃー‼︎」

急なカーブを曲がると、地面に手が届きそうだった。

前の真子と英介は、手を繋ぎながら叫んでいて楽しそうだ。

あっという間に絶叫の時間は終わる。

「あー!最高!」

「うん、叫んでストレス解消!」
「え。英介ストレスなんてあんの?」

真子と英介も楽しんだようだ。

でも、後ろを歩く2人の足取りは重たい。

「大丈夫?」
「ああ、目が回った……」

目をパチパチさせている源。

「あはは!」

絶叫マシンが苦手で固まってしまう、目が回ってしまう源。

君とすごすたびに、新しい君を発見できる。こんな嬉しいことはない。
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