あの頃のように笑いあえたら
タマランドは、長い間訪れていない間に乗り物や食べ物屋も新しくなっている所が多かった。

それでも、パパと乗ったメリーゴーランド、観覧車……懐かしさを感じる物はたくさんあった。

みんなでたくさんの乗り物に乗り、お昼ご飯を食べ、私たちは源と勝を置いてもう1度ジェットコースターにも乗った。

「なんか、天気ヤバくない?」

夕日が傾く空を、英介が指差す。

みんなの視線の先には、予報にはなかった黒い雲がたたずんでいた。

「ほんとだね、ちょっと早めに引き上げた方がいいかもね」

残念だけど、この寒い時期に雨には濡れたくない。

「じゃさ、最後にアレ、乗ろう!」

そう言った咲苗が、私に目配せをする。

ーー 観覧車⁈

あはは、そうか。きっと私と源を2人で乗せる気だな。

そんな咲苗にはまだ、新しい恋の相手はできていないようだった。

もちろん、源と2人になれるのは嬉しいけど。
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