あの頃のように笑いあえたら
「ああ、うん。いいよ、バイトもないし」

「そっか、よかった! 場所は女子で決めてって!」

場所かぁ……みんなと一緒ならどこでもいいんだけどな。

「ボーリング行こう!」

真子が焼きそばパンを頬張りながら言う。

「えーまた?」

「ボーリングはさ、英介と行っておいでよ」

咲苗の何気ない言葉に、いつもは鋭い真子の眼差しが珍しく泳ぎ始めた。

「なんでっ?イヤだよ」

あれれ?あれ〜? 真子、もしかして?

「ふふん」

咲苗も気づいているみたいだ。

いいな……恋、かな。

「じゃさ、遊園地は?タマランド!」

えっ、タマランド?

「お、いいじゃん。そうしよ」

2人は乗り気だ。

タマランドは、パパとよく遊びに行った思い出の場所だった。

できれば、今は行きたくない。

いろんな思い出がありすぎて…でもそれを懐かしく感じるのは今はまだ無理で。

きっと、心からは楽しめない。

ーーどうしよう……
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