あの頃のように笑いあえたら
「ほんの数分間の間に、どれだけ注目される応援をするか。何かいい案がある人、いませんか?」

声を上げてる咲苗もやる気だ。

「ポンポンは?クラスの色の!」

「は?オレらもポンポン持つのかよ?」

「あはは、そか」

このクラスのみんなは、割と自分の意見をすんなりと言ってくれる。

たまに、いろいろな意見が出過ぎてまとまらないのは困るが、出ないよりマシだ。

「じゃ、デカい旗は?」

「あ、いいね、目立ちそう」

英介が、黒板に書き記す。

「私中学の時に、タオル回して応援したよ」

「おー!それよくない?クラスカラーのタオル!」

「旗とどっちがいい?」

黒板には英介の字で旗、タオルと書かれている。

「……あと2週間しかないけど、旗作れるかな?」

騒つく教室、みんなを見渡して言う。

せっかく誰かが出してくれた意見を無駄にはしたくない。

決めるのはみんなで、だ。


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