あの頃のように笑いあえたら
後の3人の男子もなかなかの走りを見せてくれたが、あと少しがなかなか追い越せなかった。

ーードキドキ、がんばれ!

バトンは、とうとうアンカーの勝に渡る。

「すーぐーる!すーぐーる!」

「いけー頑張れーっ!」

2、3年生の応援も熱が入ってきた。

大きな体を軽々と前へ運ぶ勝は、すぐに先頭を走る生徒のすぐ後ろにつけた。

みんなの声援も、きっと届いているに違いない。

そしてゴール直前、最後の力を振り絞るようにスピードを上げ、ゴールテープを切った。

「……ひゃー!やったーっ‼︎」

「抜かした!すごい!」

声援は歓声へと変わる。

ゴール地点には選手たちが集まり、喜びあっている。

私たちはそこに向かってタオルを振りまくった。

まさか、本当に勝つなんて!

やっぱり、このクラスは最高だ。
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