あの頃のように笑いあえたら
閉会式を終え、きゃーきゃー言いながら教室へと戻る。

普段はそれほど騒がしいクラスではないが、今日ばかりは教室中のテンションが高い。

そんな様子を、今日ばかりは先生もニコニコと見守っている。

「さ、今日は本当によく頑張りましたね、先生も嬉しいです」

その言葉に、ますますクラス中のテンションが上がる。

「静かに〜!……では、代表して委員長さんに優勝トロフィーと賞状を受け取ってもらいましょう」

私と源は、今日はためらわずに前に出る。

「優勝おめでとう、ご苦労様」

私は賞状を、源はトロフィーを受け取る。

ーーパチパチ!

「よっ!委員長!」

誰かが囃し立てると、拍手が一層大きくなる。

照れ臭いけど、ちょっとだけ誇らしかった。

初めて、このクラスの委員長に選ばれてよかった、そう思えた。

開いている窓から、みんなの気持ちを祝福するかのように、清々しい5月の風が入り込んでくる。

隣りに立つ源もきっと、誇らしげな顔をしているはずだ、トロフィーを大事そうに抱えている。

みんなの力で勝ち取ったトロフィーを。
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