あの頃のように笑いあえたら
であい
ーー4月 入学式
新入生の三分の一は、附属中学からの持ち上がりだ。
そんなワケで、知っている顔も多い。
周りを見渡しても、高校から入学してきた生徒たちの方が緊張の面持ちだ。
みんなと仲良くなれるだろうか……。
ダメだな、早くも人見知りモード。
見慣れた体育館も、真新しい制服のパリッとした感触や匂いで、いつもと違う場所のようだ。
退屈な式は続く。
「えー、次は新入生代表の挨拶」
司会の教頭の言葉で、一人の男子生徒が舞台へと上がる。
「私たち新入生、295名は……」
その男子はしっかりと前を見て話しを始めた。
長い式で、疲れも出ていたみんなは、あまり話しを聞いていない様子だった。
まあ、もれなく私もそんな感じだったけど、なんとなくその男子の後ろ姿を眺めていた。
彼の声が、スッと私の胸に入り込んで来たのだ。
背の高い、柔らかな印象の男子だった。
新入生の三分の一は、附属中学からの持ち上がりだ。
そんなワケで、知っている顔も多い。
周りを見渡しても、高校から入学してきた生徒たちの方が緊張の面持ちだ。
みんなと仲良くなれるだろうか……。
ダメだな、早くも人見知りモード。
見慣れた体育館も、真新しい制服のパリッとした感触や匂いで、いつもと違う場所のようだ。
退屈な式は続く。
「えー、次は新入生代表の挨拶」
司会の教頭の言葉で、一人の男子生徒が舞台へと上がる。
「私たち新入生、295名は……」
その男子はしっかりと前を見て話しを始めた。
長い式で、疲れも出ていたみんなは、あまり話しを聞いていない様子だった。
まあ、もれなく私もそんな感じだったけど、なんとなくその男子の後ろ姿を眺めていた。
彼の声が、スッと私の胸に入り込んで来たのだ。
背の高い、柔らかな印象の男子だった。