アリストの3姉妹
『私たちは、魔女の存在を大切に思っており、役柄は国王付きのメイドといえど、王の側近に等しいお立場のお方達と皆が認め、信じております。食糧難で乏しい食事も、食事の有難さを思い出させてくれる大事な時期と思えと、王のお言葉がありました。何がなんでも、魔女の末裔を守り抜くこと。これが、タリホー王の意思であられます。』

兵士とそんな会話を交わしていた時だった。

『?!』

3人の魔女達には聞こえた。

その声は何処か遠くから聞こえてきた。
この場にいる誰かの声としてではなく、耳の奥、というか、頭の中の何処かで・・・というか、そんな遠い声にもかかわらず、しっかりと聞き取れる強い怨念のような声だった。

『城中の愛情をほしいままにしてヌクヌクと暮らすアリストの娘達、憎い、憎い。
白魔女の末裔達よ、そう、タリホー王国よ、再び混乱が訪れ、今度こそ滅びるが良い。
あはは、あはははは、あははははは』

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