アリストの3姉妹
『イリス、ウェンディ、今の声聞こえましたか?』
『はい、今のは・・・、誰?』
『黒魔女アヴィエータ?』とウェンディが言うと、アンジェが冷静に答えた。
『いいえ、黒魔女アヴィエータは、世界中で最後の魔女で、お母様が死んだ後、二百年の後に同じく魔女狩りで命を落としたといわれています。これで、魔女は絶滅したと言われてきました。』
『では、誰?』
『もしも、だけど・・・黒魔女アヴィエータにも子供がいて、わたし達と同じように、どこか冷たい土の中で生き埋めにされていたら?』

魔女のひらめきや直感と言うのは、本能的に現実や真実を語るものでもあった。

『魔女は土の中でも世界の動きが見えるはず。』
『そこで、おなじ魔女という存在のものが生き残っていて、わたし達が暖かい光の中で平和に暮らしていると知ったら?』
『おそらく、妬むでしょう?。憎むでしょう?』

ひらめきにより重ねてゆく推理や連想は、現実を追及することと同じようなもの。



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