アリストの３姉妹

『わたし達は土の中でも、いつも３人一緒でした。』
『黒魔女アヴィエータの子が、もしも、一人娘だったら？』
『一千年の時を暗い土の中でたった一人で過ごしてきたというの？』
『そんな、あんまりだわ。私なら耐えられない』
『だから、わたし達がもしもこれから、お母様のように、火あぶりで処刑される時が来たとしても、誰も憎んではいけない。恨んではいけないと、わたし達はここで誓いましょう』
『はい、お姉さま』

『当時の王の手記により、のこされた伝書によれば、母が殺された時、火を付ける役を申し請けたのは母の側近の兵士グランバスだったと読みました。王は他の者の手に掛けて殺してしまうよりは、身近な者が命を見届けてやりたい。という配慮だったといいます。ところが、その側近は母の恋人でもあったと、王は後で他の者から知らされたそうです。
そう、兵士グランバスは私達の義父様で、ウェンディにとっては実の父だったのかもしれません』

『私の本当のお父様が？お母様を？』
『真相は分からないけど、強い説が残されているの…』

『兵士は自分の手で恋人を死に至らしめた事で、後に、罪の苦しみから逃れるように自害したと書かれていました』