アリストの3姉妹
『この城には、わたし達を大切に思って下さる家来や兵士ばかりで、強い愛情と信頼感を感じます。もしも、わたし達が処刑される事になったら、だれが私の命を奪うための火をつけるの?だれが、イリスやウェンディの命を奪うための火をつけるの?』
『みんな私たちを信頼して下さっているのに、そんなことをさせてしまったら・・・』
『自害…する…かも』
『そんなこと考えただけで悲しいわ』
『そう、だから、誰も憎んではいけない。恨んではいけない』
『はい、お姉さま。私、誰も憎んだり恨んだりしません。絶対に』

『兵士クラウドは、兵士グランバスの末裔の子孫だそうです』
『そうだったのですか』
『兵士グランバスは元々は隣国の、魔女アヴィエータの守る砂漠の国、キャラバン王国の出身だったそうです』
『ええ、砂漠の砂に呑み込まれて無くなってしまったキャラバン王国?』
『敵国じゃん!』
『お母様にとっては敵ではなかったのよ。キャラバン王国はお母様にとっては愛する実の妹が築いた国でもあるのだから』
『で、なぜ、どうやってこの国へ来たの?』

『お母様は水の精霊の力を借りて砂漠にオアシスを築き、贈物としたと言うわ。優秀な兵士はその時の贈物のお返しとして、送られてきたといいます』

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