アリストの3姉妹
足元の砂は熱くて、太陽はギンギンと焼付け、3人の魔女達を苦しめようとしている。
もう、何日も歩いた。
風は時々通り過ぎるが、けっして心地よいものではない。
今度の風は相変わらずに熱風となって、つむじ風のように体にまとわり付いては通り過ぎてゆく。
『いちいち、まとわり付かなくてもいいのに、クソ熱い』
イリスはちょっとイライラ気味に言った。
『ごめん』
『なんであんたが謝るのよ、ウェンディ』
『だってさ、ほら、風の精が私をみて、喜んで挨拶しに寄ってくるのよ』
『寄ってくる前に、来るなーとかって言えないの?』
『無理。そんな都合の良い時にだけ呼び出して、関係ない時は迷惑だから来るなとか、そんな勝手な我侭、言えません』
『イリス、精霊たちは悪気がないの。ウェンディを困らせちゃだめよ』
そう言って、アンジェはアリアを歌う。
澄んだ美しい声が青空に響き、声がその熱を吸収するように心地よいものに変えられた。3人を包むその周りだけが、まるで幼い頃に母アリストの腕に抱かれたような優しい空気に変わる。
『ほら、お母様が守って下さっているわ』
アンジェは優しい声で二人の妹を励ました。
もう、何日も歩いた。
風は時々通り過ぎるが、けっして心地よいものではない。
今度の風は相変わらずに熱風となって、つむじ風のように体にまとわり付いては通り過ぎてゆく。
『いちいち、まとわり付かなくてもいいのに、クソ熱い』
イリスはちょっとイライラ気味に言った。
『ごめん』
『なんであんたが謝るのよ、ウェンディ』
『だってさ、ほら、風の精が私をみて、喜んで挨拶しに寄ってくるのよ』
『寄ってくる前に、来るなーとかって言えないの?』
『無理。そんな都合の良い時にだけ呼び出して、関係ない時は迷惑だから来るなとか、そんな勝手な我侭、言えません』
『イリス、精霊たちは悪気がないの。ウェンディを困らせちゃだめよ』
そう言って、アンジェはアリアを歌う。
澄んだ美しい声が青空に響き、声がその熱を吸収するように心地よいものに変えられた。3人を包むその周りだけが、まるで幼い頃に母アリストの腕に抱かれたような優しい空気に変わる。
『ほら、お母様が守って下さっているわ』
アンジェは優しい声で二人の妹を励ました。