アリストの3姉妹
目が覚めた時には、ウェンディを取り囲む周りの空気が、がみなぎる魔力のオーラでゆれていた。

3人は、目を合わせ、『うん!』とうなづくと、作業を始めた。

砂の上に、もともとの大きなピラミッドを取り囲むほどの大きさを想定して、大きな大きな円陣を描いた。
想定とは、地の底からパワーを感じるままの直感だ。
円陣の中央に三角の天辺がくるように描いた。
その後に、すぐに儀式は始まった。

3人は円陣の中央に入り、三角の天辺を囲むように手を繋ぎ合った。

『風よ、風の精霊たちよ、今ここに結集せよ。手を組み円陣を組みて、その中央たる地点、我が足元のファラオの墓に覆う砂を払い、今再び墓をこの地に現しておくれ。あわよくば、その周りに眠る街をも地上に目覚めさせよ!』

ウェンディは、大きく出た。
ファラオの墓だけではなく、円陣の更に周りにあるはずの、墓と一緒に埋もれた街のすべてを地上に現せと言い放ち、地上の風の精霊たち全てを結集させたような偉大なる力がこの砂漠の一点に集中した。



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