アリストの3姉妹
三人がこのファラオの墓や街が、地上に現れる位の想像出来ぬほど豪快な風に、どのように守られたかは本人達すらわからない。気が付いたら3人は大きなピラミッドの入り口に立っていて、ピラミッドの入り口の石の扉が3人を迎えるようにゆっくりと開いた。

『おお、これがピラミッド。王家の墓?』
『入るわよ。』
『はいお姉さん』

本能に導かれるまま、3人はある部屋にたどり着いた。

『この部屋、ま、まぶしい!』

辺りを見回すと、石の壁の前面は黄金で築かれていて、それと共に見たことも無い煌びやかな金銀財宝が眩しくの照り返し、夜目の強い魔女達にとって、正気で目を見開くことが困難なほどだった。

『スゴイ。金銀財宝。スゴイ・・・。』

無意識に固唾をのんだのはイリス。

『ってことはそこの棺らしきもの・・・きっとファラオが眠ってるのよ。』
『でも私、その棺の中から魔女の気配を感じるわ』
小さな命の鼓動をいち早く察知したのはアンジェ。
『え?』
『では、明けてみましょう』
『えぇ~? ファラオの棺をあけるなんて罰当たりな』
『いいから!』

硬く重く封印された棺を、3人の不思議な力をさっと合わせ、意図も簡単に持ち上げた。

その瞬間!

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