アリストの3姉妹
アヴィスは、よく働く3人の魔女達と、よく働くラクダ達が自分の家族だと思っている。

そして真面目に働く労働者と、優しい女たちが築く街があって、それが自分の世界の全てだと思っている。

城の建築は進んでいた。

乾いた砂漠の真ん中に輝くオアシスの中で、三人の魔女の故郷であるタリホー王国への方角を正面に、本堂が真新しいが誇らしげに建っている。

まだまだ小さな世界の中で平和な日々を暮らしているアヴィスは、自分がこの国の女王で、近い未来に、そこが自分の住まいになるということさえ、よくわかっていない様子だが。

この大切な家族と、労働者たちと、決して多くない人数ではあったが、街が少しずつ作られて行った。

力を合わせ、自分たちの住む国を再建してゆくことは、実に充実した労働であり、人々の心は希望に満ちていた。
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