イス取りゲーム
誰も美咲を止めようとはしない。
みんな見て見ぬふり。
面倒なことに関わりたくないんだろう。
「鈴香……。
なんで美咲はあんなことしてるの?」
「ん〜。
昨日のアレが原因じゃない?」
「アレって?」
アレと言われても
何なのか全く分からなかった。
「昨日の昼休みにね
水谷が美咲にぶつかったんだけど
あいつ気づいてなかって
謝りもせず席に戻ったの。
それで美咲もブチッて
きたんじゃない?」
たったそれだけで?!
嘘でしょ?!
「まぁあんなの
かわいいほうだよ。
これからどうなるだろうね〜。」
なんで鈴香はこんなに
冷静に話してるの…?
で、でも……。
私をグループに入れてくれたのは美咲。
どのグループにも入りづらく
どうすればいいか分からなかった私に
手を差し伸べてくれたのは美咲。
本当は優しい子なんだ。