イス取りゲーム




今は色々あって


ああしてるだけかもしれないし。


そうよ、うん、きっとそう。


私は何も言わずそっと見守っておこう。


「幸ちゃーん。
無視はよくないよ?」


美咲は可愛く笑いながら


水谷さんの筆箱を手に取った。


「……あ。」


「なに?
文句あんの?」


梨華の高圧的な態度に


水谷さんは萎縮し黙った。


「あっれー?
シャーペン持ってないの〜?
ダッサイ鉛筆しかなーい。」


「美咲と違って貧乏だから
シャーペン買うお金
無いんじゃない?(笑)」


「なにそれ〜!
可哀想〜!
シャーペン買ってあげよーか?(笑)」


美咲と梨華は水谷さんを


どんどん言葉で攻撃していた。


バキッ。バキバキッ。


美咲が鉛筆を折った。





< 22 / 116 >

この作品をシェア

pagetop